広島国際平和会議2006 人の未来を考える もっと人間らしく、やさしくなりたい 2006年11月1日〜2日

ごあいさつ

原爆が投下された後、すべては何もなくなった大地からはじまりました。一瞬にして跡形さえも見えなくなった愛する家族、友人、仲間たち、彼らは二度と帰ってくることはありませんでした。彼らがその時に最初に強く思ったのは、「もう二度とこのような苦しみがもたらされませんように」そんなシンプルであるけれども、力強い意志がわたしたちの祖先の心に刻まれたのです。そしてその思いを胸にこれまで努力をしてきた多くの人々が負っていた責任は、いま私たちの手に受け渡されようとしています。どのような未来を作るのか、これがいま私たちの手に委ねられています。

21世紀を迎えた私たちがいま世界で眼にしていることは、これまでの努力によって達成された充分な成果とは言い難い現象です。現代社会における戦争や紛争はこれまでになかった新しい局面を迎えています。過去の戦争のように兵士たちによって戦争が行なわれるのだけではなく、子供たちが銃をとり、何も罪も無い一般市民が巻き添えになるテロリズムは蔓延しています。この地上では市民同士が互いに憎しみ合い、殺し合わなければならない悲しみの連鎖が世界で続いているのです。一方、この地球上には、地球温暖化などの新たなグローバルな問題も発生し、私たちの未来は決して明るいものと言えないのが実状ではないでしょうか。しかしながら、それらを黙って見過ごすことはできません。いまこの未来に向けて、この狭い小さな惑星の上で私たちはもっと仲良く、もっと楽しく暮らしたい、そんな当たり前の人が当たり前に求める基本を損なうことのなく、持続可能な社会を作り上げる原点を見直さなければならないのです。

「この世の中からすべての苦しみをゼロにしたい」この思いを抱き、今秋、広島に3人のノーベル平和賞受賞者が集結します。いまも冬のヒマラヤを越えて亡命せざるを得ないチベット人たちの精神的指導者ダライ・ラマ14世、南アフリカでアパルトヘイト撤廃のために立ち上がった、デズモンド・ツツ大主教、北アイルランドで紛争のために巻き添えになった子供たちを見て立ち上がった、ベティ・ウィリアムズ女史。彼らは一国家や一団体、一民族の利害関係だけを考えるような狭い見地の持ち主ではありません。これまで自分の利益や欲望を抑え、世界に暮らすそのすべての人々のために平和を希求して活動してきた巨匠たちです。この平和の巨匠たちを迎えて、世界最初の被爆地となった広島、そして日本から全世界へ向け、みなさんとともにもう一度「平和を希求する思いの原点とは何だったのか」これを確認し、彼ら平和の巨匠たちとともにみんなで私たちの未来を考えて、そして平和のメッセージを世界に配信したいと思います。

「もっとやさしく、人間らしく、楽しく生きてみたい」これは世界中のすべての人がもっている平和で幸福な生活をもとめる思いの原点にあります。我々人間がすべてこのシンプルでかつ重要な思いを共有すること、これがすべての原点にあるのです。わたしたち全員がもっているこのシンプルな平和を求める気持ちそれを集結させ、手作りで楽しく語り合う場をつくり、そして世界に伝えようではありませんか。

すべての人がお互いにやさしい人間であれること、そしてもっと人間らしく、もっと楽しく生きれること、その可能性と実現性はすべて私たちひとりひとりの人間の手にあるのです。広島国際平和会議は3人のノーベル平和賞受賞者とみなさんが直接対話できる機会を提供します。彼らがこれもち続けてきた素晴らしい志を私たち一人一人が受け継ぎ、彼らと一緒に平和のメッセージを配信する、というこのシンプルだが重要なミッションを担うのはみなさんです。どうかより多くの方のご賛同、ご参加をお待ちしております。

2006年8月6日 広島国際平和会議2006実行委員会 一同